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ハリネズミとのふれあい方
●ハリネズミは警戒心の強い動物です。警戒すると針を立てて威嚇をする性質がありますから、焦らずに少しずつスキンシップを図っていきましょう。
はじめは人に対する恐怖心や警戒心から、無理に触ろうとすると、ハリネズミに大きなストレスを与える場合があります。無理やり触ることはとてもストレスになりますから、手を出して頑なに丸まるようなら、落ち着くのを待ちましょう。
ストレスを過度に感じると、さまざまな病気や体調を崩す原因になりうるため、乱暴な触り方や無理強いは絶対に避けてください。また、体の小さな種類の場合、長時間触ってしまうことによって、体温を急激に奪ってしまう危険性もあります。スキンシップは軽いものを短時間から徐々に時間を延ばしていくなどして、ハリネズミの負担にならぬよう心がけましょう。
環境になれないうちに遊ばせ過ぎたり、かまい過ぎると、疲れて衰弱してしまうことがあります。とくに好奇心の強い子は、体力の限界以上に遊んでしまいがちです。気を付けてあげないと、疲労から体力が低下してしまいます。
そのためにも、おうちにきてからすぐ遊ばせることは避け、少しずつ様子を見ながら、遊ぶ時間を増やしていきましょう。
とくに小さなお子様のいるご家庭では、遊ばせ過ぎないように気を付けましょう。
遊ぶ時には必ず時間を決めて、5分〜10分と少しずつ遊ぶ時間を延ばしていくようにします。
おうちに来てから数日間は、遊ぶことは避け、体長管理と環境に慣らすことを優先しましょう。
ハリネズミを抱く時には、手のひらですくうようにして持ちます。最初はどうしても針を立てますから、皮手袋などをしたほうが良いと思います。
お部屋に出す時は、狭い所に逃げ込んだりしないようにスペースを考えて遊ばせましょう。
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ハリネズミの健康上の注意点
●ハリネズミは夜行性の動物です。
昼間は眠っているので、無理に起こしたりせずに、充分に休息させてあげてください。
昼間でもお水を飲んだり、エサを食べるために起きてくることがあります。
●ハリネズミは、皮膚病になりやすい面があり、皮膚はとってもデリケートです。しかし、皮膚病になっても、体のたくさんのトゲで、治療にも時間がかかってしまうのです。
そして、皮膚病だけでなく、マダニ・ヒゼンダニ・ノミなどの外部寄生虫にも注意する必要があります。
皮膚病の最も大きな原因は、“湿度が高く、不衛生な環境での飼育”があげられます。そのため、日ごろから衛生的な環境を心がけることが必要です。なお、ストレスや体力消耗によって体の抵抗力が下がることによって、多くの皮膚病になりやすくなってしまいます。
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ハリネズミの健康チェック
チェック項目
◆体の症状・・・・・・・下痢をしていないか
◆目の症状・・・・・・・目やにがでていないか
◆鼻の症状・・・・・・・鼻水が出ていないか
◆耳の症状・・・・・・・汚れたり、かゆがったりしていないか
◆口の症状・・・・・・・においがしたり、よだれなどは出ていないか
◆肛門の症状・・・・・便などで汚れていないか
◆皮膚の症状・・・・・毛(トゲ)が抜けたり、かさついていないか |
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ハリネズミに多い病気
<皮膚糸状菌症(真菌)>
カビの一種である菌の感染により起こる皮膚疾患です。 真菌には、白癬菌属や小胞子菌属などがあります。
ハリネズミは皮膚病にかかりやすいといわれており、こういった糸状菌を保有していることが多いのです。とくに白癬が多くみられます。
糸状菌を保有しているハリネズミ全てが皮膚疾患になるわけではなく、ストレス・体力消耗・さまざまな病気などが原因で、免疫力が低下すると発症しやすくなります。
[感染経路]
真菌を保有した動物との接触、または身近な環境で発生した真菌が皮膚の角質層や体毛につき感染する。
[予防方法]
真菌が発生しにくい環境をつくることが、最大の予防となります。そのためには、通気性のよい清潔な環境を保つことが大切です。真菌はハリネズミにとって大変身近な病気です。命に直結する病気ではありませんが、日ごろの体調チェックで、早期発見・治療を心がけましょう。
<自咬症>
ハリネズミは、ストレスなどにより自分自身を傷つけることがあります。主に、足や手の指などをかんで食べてしまうことが多くみられます。症状が進行すると、傷口が菌に感染し壊死してしまうこともあります。
[予防方法]
日ごろから、ストレスの少ない安定した環境をつくることが最も重要です。触り過ぎ、かまい過ぎに注意し、ハリネズミが落ちつける生活を心がけましょう。
<コクシジウム症>
コクシジウム原虫の感染が原因の病気です。ある程度成長したハリネズミの場合、症状を示さない場合も多いですが、離乳から日の浅いベビーは、症状が進行すると脱水を起こし、命をおとす危険性があります。
コクシジウムは、健康な個体もしくは1度治療をして回復した個体であっても、ストレスや飼育環境の悪化によって再度発症してしまうことがあります。日ごろから健康チェックで便などの状態を観察し、症状の早期発見を心がけましょう。異常を発見した場合は、すぐ獣医師に相談しましょう。
[感染経路]
経口感染(感染した動物が排泄した糞便に含まれるコクシジウムを、何らかのかたちで口にすることにより感染)
[予防方法]
すでに感染してしまった動物が近くにいると、直接糞便を口にしたり、乾燥した糞便が空気中を舞うことによって、病気が蔓延する可能性があります。糞便に含まれるコクシジウムは、排泄されてから2日程度で感染力をもつため、こまめな掃除による衛生管理が最も重要になります。
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ハリネズミの不思議な行動 「泡つけ行動」
ハリネズミの変わった行動の一つとして“泡ふき行動”があります。
これは、ハリネズミが泡状となった唾液を体に塗る行動です。まだこの行動の明確な理由は解明されていません。
●唾液からする刺激臭をだして異性に求愛する
●皮膚につく害虫や寄生虫を防ぐ
●針(トゲ)の洗浄効果
●外的から身を守る ・・・などの理由が考えられています。
この行動は、病気ではなく、ハリネズミ特有の珍しい行動なのです。
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